裸のサルの目、ラグビー狂騒曲

過去の実績では世界のBクラスであった日本代表ラグビーチームが大健闘で予選を勝ち抜き、世界のベスト8に進出しました。まさにチーム一丸での成果でした。

メディアはまさしく大フィーバーでラグビーの全てを褒め称え、ルールも知らない子供からお年寄りまで涙を流しての熱狂ぶりでした。このラグビーブームに水を差すわけではありませんが日本ラグビーの将来の発展のためにあえて今後の問題点を考えてみます。

スポーツの本質は勝利をめざし栄光を勝ち取ることです。選手の目標はたゆまない努力と鍛錬で勝者となり人々のヒーローとなることです。いかに努力と鍛錬を積もうとも勝者でなければヒーローにはなれません。ラグビー選手だけが特別ではありません。またメディアは勝者、ヒーローを褒め称えますが熱しやすく冷めやすいのも現実です

今回の日本代表チームはすさまじい努力と鍛錬、チームワークでヒーローの座を勝ち取りました。現在の日本ラグビーチームが得られる最高の成果を得られたのです。この達成感を乗り越え、さらに前進するには今までの数倍の地道な努力が必要です。現在の日本ラグビー界は企業の自主努力に頼る脆弱な体質で、まだまだ世界のBクラスです。肉弾戦を本質とするラグビーには海外の強力な選手とコーチの補強が必要、不可欠です。1企業の努力だけでなしえることではありません。資金面や人材育成にラグビー界全体のサポートと指導力が必要です。また海外人材だけではなく日本の青少年の育成も重要です。ここでも問題があります。肉弾戦を本質とするラグビーは大きなけがや事故も多くかなり危険なスポーツです。またアマチュアイズムを旨とするラグビーには他のスポーツとは違い将来、プロスポーツ選手となり栄光と富を得る道も現在はありません。

(世界の王者、南アフリカの栄光の名誉だけで獲得賞金はゼロです。)

このような現実を前に他のスポーツ、野球やサッカーに優先させてラグビー選手を目標とする青少年の底上げができるのかはかなり困難な道のりです。

また、目前に控えたオリンピックのメダル、ヒーローにマスコミの関心が移るのは必然です。

ようやく芽生えた日本ラグビーが一時のフィーバーの終わらないためには国を挙げての

バックアップと強力な指導者が必要です。フィーバに酔うだけだはなく継続への具体的な戦略がこそが最も必要なことです。